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Traces of Memory

HP開設記念 2025.7.16 新曲Release(現在動画は仮)

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The Story of …

ここではタビレトロの2人のルーツが第三者視点で語られます。

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北の大地と雪守たち

「星を落とす」力を持っていたという「雪守の民」の伝承が残る地、北の大地。 現在でも足を踏み入れる人がほぼいない極寒の地域だが、かつて南の大国と交流があったことが民俗学研究からわかっている。

一般的に民俗学は現地やその周辺での伝承や生活様式を直接調査するものであるが、雪守の民の研究においてそれは叶わない。

現地を訪れることは可能だが、そこには雪に埋もれた人の気配のない古い街と、残された大量の絵画や生活用品が散らばっているだけだという。

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雪守の民とは

雪守の民はいったいどのような人々だったのだろうか? 「星を落とす」とはどのような力なのだろうか? 雪守の国はなぜ一夜にして消滅してしまったのだろうか?

研究が始まって数十年経った現在でもそれは明かされていない。

しかし、最近になってわずかだがその手がかりをつかむことが出来た。 どうやら雪守たちは絵を描いたり音楽を作ることが得意な民族だったようだ。

音楽は言語に近かったのではないか。 雪守の国では言語に当たる文字がみられない。

絵画の様式は他国とは全く違って抽象画ばかりであると思われてきた。 しかしそれは違った。 何度も何度も絵の具を塗り重ね、ある個所では下の絵と混ざり、ある個所では完全に上書きされ、それが層となり結果的に抽象画に見えていたのである。

色と音の物語

一体何を描いていたのだろうか? 言語にあたるものが存在しないのであれば、どのように会話をしていたというのか? そう考えながら高架橋の下を通りかかった時、私はとある奇跡を目の当たりにした。

路上に集まった観客の前に立つ2人の少女が、絵と音楽で物語を語り始めた。 色が様々な音色になり、音符が絵の中の人々の表情を描く。 次々に変わっていく物語のシーンを、美しい音色にのせて奏で、描く。

光とも思えるカラフルな色が絵から飛び出し、観客たちの間をすり抜けながら細かい輝きを残して広がる。 それが五線譜のように幾つもの線となって流れをつくり、沸き立った観客たちをやわらかく包み込むと、音楽はクライマックスを迎えた。 私は震えていた。

拍手と歓声の中最後に残った絵は、私が研究で見た、あの抽象画たちによく似ていた。

ーとある学者の手記より

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